2009年12月30日水曜日

2010年は・・・

















神楽坂の毘沙門様で知られる善國寺。建立されたのが桃山末期の文禄四年(1595年)という由緒を持つ名刹でありますが、この毘沙門天を護っているのがちょっと風変りなご面相の狛犬。
先日は狼の狛犬が捕獲されましたが、実はこの狛犬、虎なんだそうです。ということは狛寅というべきか、たしかにネコ科の顔つきだし尻尾も長い! 

毘沙門天は寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻生まれなんだそうで、別名・寅毘沙とも呼ばれるとか。これにちなんで江戸時代後期に信仰厚き近隣の人々から寄贈されたのが、この狛寅ということでした。

2010年は毘沙門様は年男ということですね。
今年はいい歳でありますように(それからわが阪神タイガース優勝!)お願いしますよ。


お寺のHPにこんな張子の虎が!可愛いですね。


2009.12.9 新宿区神楽坂5丁目にて捕獲

2009年11月24日火曜日

狼なんかこわくない












大田区在住のKA隊員から再び投稿です。

ご自宅のそばの御嶽神社で捕獲したというこの狛犬。
「あまりに犬らしい狛犬?」
という報告がありましたが、この狛犬は正確に言うと犬ではなくて狼です。

狛犬評論の大家・三遊亭円丈師匠の説によると
稲荷神社によく祀られているキツネとの違いは
・牙がある
・脇腹にあばらが浮いてる
・耳は立っていない
・山岳神社にしかいない
・下の台座が岩のような岩座が多い



ということで木曽の御嶽山神社の分社という大田区の御嶽神社は間違いなく山岳神社。
特徴もばっちりですね。
かつての山の民が神の使者として狼を信仰していた名残なんでしょうな。明治以降野生のニホンオオカミは絶滅したそうですから、いまや狛犬で在りし日を偲ぶのみ。

KA隊員「可愛くない」とおっしゃっていましたが、こんな狼狛犬はこわくないですね。


2009.11.23大田区北嶺町にて捕獲。

2009年11月16日月曜日

江戸っ子でい











東京都大田区在住のKA隊員から投稿です。

ところは神田祭でおなじみ神田明神であります。
銭形平次もここ明神下の長屋にいたというぐらいですから長く江戸っ子たちの信心を集めてきた名所中の名所です。

ご自分のお仕事の成功祈願ということで参拝された時、大黒様や恵比寿様というめでたい神様たちと一緒にちょっといなせな狛犬を捕獲されたそうです。

スマートです。若々しいです。前方をキッと睨むスタイルはキリリと粋でいなせな江戸っ子好みの感じです。思わず豆絞りをかぶせたくなりますね。しかもクラーク・ゲイブルを思わせる男らしさも兼ね備えています。

建立は関東大震災で破損した本殿を再建した昭和9年。制作は動物彫刻で名をはせた池田勇八先生の手によるものだとか。馬の彫刻で高名な先生ですが狛犬も躍動感があってさすがの出来、東京の名所にふさわしいお姿ではありませんか。

今まで捕獲された狛犬たちのなかでもイケ面ぶりはNo1。

2009.11.12 千代田区外神田2丁目にて捕獲

2009年9月25日金曜日

番外編 考えるガーゴイル


酔客が行きかう新宿三丁目の小さなビジネスホテル前でぽつんと座り込む異形のガーゴイル。

かつてバブル期には有明あたりに跋扈していたけど、最近はあまり見かけないと思ったらこんなところに鎮座していたとは。一瞬呑みすぎで気持ちが悪くなって座り込んでいる酔漢かと思ったよw
でもよくみるとなにやらロダンの<考える人>のように哲学的思索にふけっているようにも見えますね。

まあ、狛犬とは似ても似つかぬ西洋物の怪だけど、やはり魔よけとして番をしている任務を帯びているということで、狛犬番外編ということで捕獲してみました。


2009.1.28 新宿区新宿三丁目にて捕獲

2009年7月19日日曜日

でか!


台湾第2の港湾都市・基隆(きーるん)の丘の頂上ある中正公園。かつて日本の統治時代には台湾八景・旭丘と称された景勝の地で、眼下には大型船舶が行きかう基隆港が広がっております。
この公園には22.5メートルの白衣観音像が、やさしい微笑をたたえて聳えており基隆のシンボルともなっているのですが、この巨大な観音像が従えるのはゆうに体長15メートルはあろうかというこれまたギネス級の巨大な黄金の獅子像であります。
まるで、海に向かって台湾の島全体を、邪気から護るがごとく誇らしげな表情をしております。











公園の一角に廟があり、そこにもニヒルなやつがひっそりと後に控えております。
こちらのほうは黄金の巨大狛犬に比べればいたって地味ですが、なかなかのご面相。
とかく定型化しがちな台湾の狛犬のなかでは異彩を放っています。



2008.10.20 基隆市中正公園にて捕獲。

2009年6月13日土曜日

狛犬天国その2


台湾の古都・鹿港は台湾最古の媽祖廟である鹿港天后宮を中心とした町で、19世紀には大陸との貿易窓口港として大変栄えたそうです。当時から海の安全や商売繁盛を願ってのことでしょう「三歩一小廟、五歩一大廟」といわれるほど寺社が多いところでもあります。よって当然の如く狛犬たちも町のそこここに放されております。
ずらりと並んでいるのは、狛犬たちの寄り合いじゃありません。鹿港天后宮の門前にあった狛犬工場の出荷待ちの連中です。これから世界中の門前に派遣されるわけですがなんだか楽しそうに語り合っている風情ですね。
















日本の狛犬は神社に奉られているのが普通ですが、台湾ではお寺さんにも狛犬はつきものです。鹿港の名刹である龍山寺にもなんとも愛嬌のある狛犬に出迎えられました。


さらに煉瓦の九曲巷という迷路のような古い路地を歩きながら、古き良き時代をしのんでいるとふと気がつけば一般の民家の軒下の路傍にもひょっこり狛犬が座っていたりするから油断が出来ない。
台湾の古都は文字通りの狛犬天国の地でありました。



2008.10.19 鹿港市中山路ほかにて捕獲

2009年5月28日木曜日

牛にもめげず



渋谷在住のMA隊員より再び投稿がありました。

前回同様、京都での捕獲行動で今回は北野天満宮の狛犬であります。
ご存じ菅原道真公を奉った修学旅行のメッカ。山門入り口にも立派な狛犬がいたとのことですが今回捕獲されたのは拝殿前の2頭。なかなかかわいらしい連中です。やはり吽像のほうには角が生えているスタイルですね。

ただし天満宮のスターと言えば牛の像。こちらのほうは参拝客がご利益があるということから撫でまわすのでつるつるぴかぴか、狛犬のほうは風雪にさらされてちょっと地味に控えていたとのこと。

2009.5.26 
京都市上京区馬喰町にて捕獲

2009年5月7日木曜日

南国の北極犬


えー、台湾は高雄・蓮池譚の狛犬たちの続きであります。

蓮池譚の湖の中心にせりだした北極亭というお宮には、22mの巨大な玄天上帝という煌びやかな中国の神様の像が鎮座されております。
この玄武とも玄帝とも称されるお方は旧くは宋代から民間でもてはやされた、悪霊退治の武にたけた神様なんだとか。
五行の北極星を軸にした由来から北方を護るといわれているので北極亭なのでしょうが、しかしながらくそ暑い南国の地にそぐわないネーミングではあります。

ちなみに玄天上帝とはこの方です。確かに強そうですね。












                      お宮といえば、当然、狛犬もつきもの。入り口には黒っぽい奴が座っていましたが、近所の慈済宮の狛犬たちが真っ白なのになぜに黒いかというと、玄=黒をあらわすからのようです(勝手な推測ですが)。

もうもうと香がたちのぼっていた炉で拝んだ後に、ふと視線を感じるとこんなところにも小さいのがへばりついて存在を誇示しておりました。


2008.10.18 
高雄市左営区蓮池譚北極亭にて捕獲

2009年4月7日火曜日

祇園の顔役





















渋谷区在住のMA隊員より投稿です。

京都旅行で八坂神社に行った折りに、角の生えている狛犬を捕獲したとの報告。
資料をひもとけば、
吽(口を閉じた)像に角があるものは結構全国に散見するらしい。確か靖国神社の西門にもいたような。
角をはやした狛犬は江戸時代にけっこう流行したらしいけど、由緒ある祇園さんでは鎌倉時代の宝物として収蔵されている木製の狛犬がこのタイプで、現在、山門に位置しているこの像は大正時代に模して寄進されたものなんだそうです。

角のない阿像もなかなか目が大きくて器量よし、祇園の顔役といったところでしょうか。
ちょっと宇宙少年ソランを髣髴させませんか?

MA隊員によると山門以外にも境内にたくさんの狛犬たちがいて、いっせいに吠え立てられたとか。
山門をくぐったところに待ち構えていた強面もついでに捕獲しましたとのこと。
こいつも立派な角を誇示しております



ご苦労様でした。

2009.4.4 京都市東山区祇園町にて捕獲。

2009年3月3日火曜日

狛犬天国



高雄の蓮池譚には大きなお宮が点在していますが、当然お宮に狛犬はつきもの、沢山の狛犬たちが生息しています。竜虎堂を奉る本殿である慈済宮に足を踏み入れるといっせいに狛犬たちの視線を感じました。
上の写真は最初に出迎えてくれた敷地内の隅っこにいた連中ですがちょっとファニーw。でもいかんせん背景がチープ、もっと綺麗なところに安置してくれい。


本堂に上ると立派な龍のレリーフ。その周りにはちっこい狛犬たちがいっせいに吠え立てております、もちろん声は出ませんが。



本堂を護る2頭です。この顔と上向きの表情は台湾の狛犬の定番。一番オーソドックスなスタイルであります。首に巻かれた赤いリボンがチャーミングです。












2008.10.18 高雄市左営区慈済宮にて捕獲

2009年2月9日月曜日

萬事如意



台湾は高雄郊外・左営にある観光スポット蓮池譚の竜虎塔の入り口で観光客を出迎えてくれる獅子二頭。
二頭とも玉乗りタイプで左が萬事、右が如意の玉、ここでお参りすればまったくもって万事メデタシというありがたいご託宣です。
この獅子たちの先には竜と虎が大きな口をあけてわれわれを待っているのですが、竜から入って虎から出れば萬事如意なのだそうです。
この玉乗りブラザース、目ん玉は墨で丸く書かれているところがちょっと安っぽいけど、それはそれでなかなか可愛らしい表情です。


メデタシついでで竜と亀が合体した変てこなやつも鎮座しておりました。


2008.10.18 高雄市左営区蓮池譚にて捕獲

2009年1月30日金曜日

黄金の招き狛犬














とにかく中華系の人たちは黄金が大好き!
彼らに日本のイメージを問えば先ず第一に挙げられるのは福を招く「招き猫」なのだが、人気はなんと言ったって黄金の「招き猫」で、店先によく鎮座している風景をあちこちで見かける。

ということでこちらでは狛犬だって黄金が良いに決ってる、ということなのだろうか高雄のホテル・華王大飯店の玄関で出迎えてくれた金無垢の獅子2頭。邪気をはらうというよりは金持ちの客が入ってこいという招き狛犬的な役目なんでしょう。

もちろん純金なんかではありません。思ったよりも安っぽい感じでしたけど夜目にもぴかぴか光って人目を引いております。
顔も怖い顔で護っているというより、ようこそ当ホテルへとウェルカムモード全開のフレンドリーな可愛らしい笑顔に見えてきました。

2008.10.17 高雄市五福四路にて捕獲

2009年1月2日金曜日

地元の護り





谷原、田中、石神井、関、立野と近在の総鎮守である石神井氷川神社は室町時代に建立された古社で、太田道灌に攻め滅ぼされた石神井城の当主・豊島氏によって斉奉された。三宝寺池に黄金の鞍とともに身を投げたといわれる照姫伝説も地元では良く知られるお話。


武蔵野の深い緑に囲まれた権威あるこの神社を護る4頭の狛犬であります。高い位置から周囲を睥睨する2頭は天保年間から、その膝元で脇を固める2頭は大正7年からこの地で任についているそうです。

なかなか雄雄しいお姿ではありますが、むかしむかしから鎮座されているだけにご尊顔はちょっと爺くさい?
個人的には初詣のときにお会いするのが恒例になっております。



2008.11.2 練馬区石神井台1丁目にて捕獲